ICT4Dの議論は変化しているのか?

Webで読める本の紹介。英語なのですが、“ICT4D – Connecting People for a Better World”という本があることを最近知りました。2003年にジュネーブで開催された世界情報社会サミット(WSIS=World Summit on the Information Society)に関連して、スイス外務省開発協力局(SDC)とGlobal Knowledge Partnership(GKP)という国際団体によって作成されたものなので、正直結構古い。

それでも、ICTが貧困層を貧困から抜け出させるためのツールとなるのか、それとも、ICTは貧富の差をさらに拡大するものなのか?というテーマに沿って専門家達が意見を寄せており、あり意味ICT4Dの王道的な議論が網羅されていて全体像をつかむには良いかも。同じような本だと、ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校の教授、Tim Unwinが“ICT4D: Information and Communication Technology for Development”という本を出版していて、こっちの方が新しい情報が反映されていると思うが、買わないと読めない(しかも結構安くない値段だ)ので、Webで無料でよめる点はありがたい。

Webで読める日本語のICT4D関連の読みものとしては、以前読んだことがあるのでは、JICAの研究員という立場で山本達也氏の書いたレポート『開発途上国における情報化の進展とICT支援政策 -中東アラブ諸国の事例を中心に-』がある。自分がICT4Dという分野に興味を持った当初に読んで、こういう研究や調査をする仕事がしたいなぁと感じたのを思い出す。

色々とICT4Dの本とかレポートとかがあるけれど、そんなに沢山に目を通しているわけではないですが、なんとなく昔から議論の大筋は変わっていなくて、「ICTは開発に役立つのか?か否か」という問いに対しては、「そもそも、役立つか否かの議論は意味がない。どうしたら役立つのか?についての議論が大切」という回答が用意されており、「じゃ、どうやったら良いのか?」という問いに対して、個々のプロジェクトや国の状況に合った方法が重要、とか、ICT導入はあくまで手段なので目的を重視しないといけない、とか、ステークホルダーのコミットメントやステークホルダーを巻き込むことが重要、などの回答でまとめられている。以前と変わった点はツールとして取り上げられるテクノロジーや方法の切り口が新しくなってきたことで、携帯電話やWeb2.0といった新たなICT、BOPやCSRといった新たな方法が取り上げられるようになった点くらいでは?と感じる。それとも革新的な発見や潮流の変化ってあるのか・・・どうだろう?

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