途上国ビジネスの鍵はパートナー

KDDIがアメリカの貧困層向けに米国の携帯電話会社(2社)に出資し経営権を握る。米国の貧困層は主に移民であり、祖国のインターネットを利用出来ない家族とのやりとりに携帯電話を利用している。KDDIはこのBOPマーケットを開拓していく心積もりのようだ。

KDDIといえば、2009年11月にバングラディッシュのbracNETにも出資し、50%の株式を取得している。bracNETは、バングラディッシュ大手のNGOであるBRACが、デフタ・パートナーズ(代表は原丈人という日本人)というベンチャーキャピタルと共同で始めた組織で、通信網整備やテレセンターの運営を通じてバングラディッシュの人々がICTの恩恵を受けられるような活動をしている。ここでも、KDDIがBOPビジネスへの参入を図っている。

一方、NTTも同じくバングラディッシュのICT分野を開拓しようとしている。以前、このブログでも紹介した本「BOPを変革する情報通信技術~バングラデシュの挑戦~」の著者が所属する九州大学とバングラディシュの大手NGOグラミングループとともに「グラミン・テクノロジー・ラボ(GTL)」の設立に協力している。GTLは途上国のニーズにマッチした技術や製品を開発するのが目的。KDDIに負けじと、NTTもBOPビジネスに乗り出している。

KDDI、NTTの両者のバングラディッシュにおけるBOPビジネスへの進出を見てみると類似点がある。それは、単独ではなく現地NGOをパートナーとして、そこに出資・協力している点。そして、もう一つは、どちらもデフタ・パートナーズや九州大学のように、既に現地NGOと良好な関係を築いている組織もパートナーになっている点だ。つまり、不確定要素や不安材料が多い途上国ビジネスでは、「信頼出来る現地パートナー」(NGOなど)が必要であり、さらに、「このNGOが本当に信頼出来るのか?」の指標として、既に先進国の組織との連携経験や信頼関係が築けているかを評価基準にしている。そして、NGO対自社(KDDIやNTT)ではなく、対象となる途上国との連携に長けている既存の先進国の組織も含めてリスクを軽減している。

  • 現地の活動=現地NGO(BRAC、グラミングループ
  • 技術の提供=日本企業(KDDI、NTT)
  • 両者の繋ぎ役=途上国との連携に長けている既存の先進国の組織(デフタ・パートナーズ、九州大学)

この上記のような役割分担が信頼出来る相手と確立できるならば、日本企業のもBOPビジネスに一歩踏み出し易くなる。そして、そこで鍵になるのは、「両者の繋ぎ役」。信頼出来る現地の企業やNGOを見定め、日本企業と引き合わせる。この役目を日本のNGOや政府機関(JICAなど)が上手く出来れば、日本企業の途上国BOPマーケット開拓が促進されるのではないだろうか。

途上国ビジネスの鍵はパートナー」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: Developmentに本当に必要なもの « ICT for Development.JP

  2. ピンバック: 日本企業のICT4D分野進出 « ICT for Development.JP

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