ラスト1マイルを超えるためのコツが必要

 ICTworksというブログで、「アフリカ諸国のICT4D本気度ランキング」というトピックがあった。これによると、通信市場の規制緩和や自国ICT産業復興支援、ICT関連の教育の充実度などから判断した結果、ケニアがアフリカ諸国のなかでも最もICT活用に真剣であるという(ちなにみ、ケニアに次ぐ国としてはルワンダが挙げられている)。その指標のなかに、“ローカルコンテンツの開発”が入っており、「各国が、ローカルコンテンツの開発が重要と言っているわりに、実際にそこに力を真剣に注いでいる国は少ないが、ケニアは頑張ってる」というようなことが書いてあった。

 一方、Google Africa Blogに、スワヒリ語とアムハラ語(エチオピアの公用語)でもGmailが使えるようになったという記事がある。これで、英語の出来ない人達もメールの利用による恩恵が受けられるようになる。つまり、ローカルな人達のネット利用が促進されるわけだ。

 本気度がローカルコンテンツ開発への取組みから判断出来る点や、Gmailのスワヒリ語やアムハラ語対応を考える、「どこまでローカルな人々にネット利用による恩恵を提供出来るのか?」ということが、ICT活用の効果を上げられるかのキーポイントの一つであろう。

 しかしながら、このGmailのアムハラ語バージョンを使ってみると、本当に英語が出来ないユーザが、これを使いこなせるのか?という疑問がある。Gmailアムハラ語は、アムハラ語をタイプするためには、言葉の音をアルファベットで入力する。そして、そのアルファベットの並びによって、その音に沿ったアムハラ語が表示される仕組みだ。しかし、ここに以外とテクが必要。そもそも、エチオピア人がアルファベットでアムハラ語を書くこと(ローマ字で日本語を書くようなこと)はほとんどない。したがって、アルファベットでどう表記したら、どんなアムハラ語の発音になるのかということを知る人は少ない。おそらく、そのようなテクニックを知っているのは、外国人にアムハラ語を教えた経験のある人や、すでに英語でメールやSMSを利用して、アルファべット表記のアムハラ語に精通している人達だけだろう。実際、うちの奥さん(←奥さんはエチオピア人です)にこのGmailの機能を紹介したら、最初は「すごい!」と言っていたが、思いのほかタイプが難しく、思ったとおりの変換が出来ないので、すぐに興味を失ってしまった。

 結局、こういったサービスは本来ニーズがある「英語が出来ないためにメールを使えないエチオピア人」が使いこなすようになるには、それなりのトレーニングが必要だ。操作だけではなく、「どう表記したら、どのアムハラ語になるのか」といったコツのようなものを教えるトレーニングが。この「ラスト1マイル」とでも言える、最後の一押しがなければ、真のメリットは得られない。
 この他にも同様な事象がある。例えば、自国の言葉で書かれたローカルコンテンツが沢山あったとしても、単純に検索の操作を知っているだけでは、欲しい情報は得られない。検察にもどんなキーワードを選ぶのか、組み合わせるのか、といった「コツ」が必要だ。他にもネット上の無料サービス(SNSやブログ作成)を利用(操作)することは誰でも出来るようになるだろうが、そのサービスを使ってメリットを得るには、やはりそれなりのコツ(コミュニケーション力やプレゼン能力など)が必要だ。

 このようなコツを教えるサービスを提供して見たいと以前から思っている。例えば、学校のIT授業やテレセンターのようなところで、操作+コツを教えるとか、コツだけ教えるPCスクールを開くとか。もし、今、再び協力隊になったなら、そんなこをやってみたいと思う。Gmailに代表されるように、どんどん途上国の人々を対象としたサービスが登場してくるだろう。しかし、そのときに、そのサービスが本当に使えるようになるには、一つハードルを越える必要がありそうだ。そのハードルを越えるための手伝いが出来ればなぁと思う。

 さて、おかげさまで、このICT4D.jpブログも投稿数100個目を迎えることが出来ました。以前、日経ITproかなにかで、「100投稿を超えるとブログの価値が出てくる」というような記事を読んだことがあります。このブログの価値も上がったのかな。
 このブログを通じて、ICT4D専門家のあっちゃんさんや英国でICT4D研究をされるYukoさんなど、ICT4D分野で活躍される方達と知り合えたことは、非常にありがたいことでした。改めて、Webの持つネットワーキングの力を感じます。こういうWebのメリットを出来るだけ多くの途上国の人達が享受出来るようになることを願って、投稿数200を目指して更新して行きたいと思います。

ラスト1マイルを超えるためのコツが必要」への3件のフィードバック

  1. エチオピア勤務

    はじめまして。

    >思いのほかタイプが難しく、思ったとおりの変換が出来ない

    アムハラ語を話せるエチオピア人でも変換の仕方を知らない人は多く、むしろ変換の表を見せたら「コピーさせてくれ」といわれ、印刷してあげたら喜んでいました。

    返信
    1. tomonarit 投稿作成者

      そうなんですよね。以外に難しいです!
      エチオピアで浸透しているPower Ge’ezt
      ってアムハラ語を書くそソフトと全く同じにすれば良いのになぁ、と思うのです。

      返信
      1. せはた

        エチオピア人って同じ名前の様でも、アルファベットにて記載してもらうと、様々なスペルになりますね。
        日本人が学校教育でならう様に、ヘボン式的なアルファベット表記が決まっていれば、Gmailのアムハラ語版も直ぐにでも活躍出来そうですね。

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