ケニアのコーヒー農家を支援するソフトとは

ICTworksというブログにいかにもICT4Dっぽいトピックがあったのでご紹介。

ケニアのコーヒー生産協会(Kenya Coffee Producers Association)では、協会メンバーの農家が栽培した豆を販売し、その収益をきちんと管理するためにCoopWorksというソフトを使っているらしい。それまで、手書きの帳簿で管理していた販売量や収益について、このソフトを使うことでより正確に管理出来ているという。

フリーの会計ソフトそのものはそれなりにネット上あるんだろうが、このソフトがコーヒー農協運営に特化している点が面白い。コーヒー豆は焙煎されることで水気が飛んで軽くなるし、グラインドすることで空気がはいったりする。つまり、同じ1Kgでも生豆のときと、焙煎&挽かれた後では、かさが大きく違う。さらに付加価値がついて単価も上がる。でも、農家の人たちは、どれくらいかさが増えるのか?そして、そのかさの増えたコーヒー豆のパッケージがどれくらいの単価で販売されているのか?については詳しい情報を知らない。

このソフトは、コーヒー生産の各プロセスについての情報を入力することで、生豆が加工後にどれくらいの価値となるのかを計算してくれたり、農協の各メンバーが情報を登録することで、収益の配分率なども割り出してくれる機能がある。従来、コーヒー工場などでも同様のソフトを利用していたようだが、そういったソフトは高価で農協には手が出ない。一方、このCoopWorksは無料でオープンソースソフトだ。Kenya Coffee Producers Associationは、このソフトを活用し、さらにオープンソースの利点を活かして、自分達で改良して各メンバーの携帯電話にコーヒー価格情報を配信する機能なども作り込むことを考えているという。

自分はICT4D分野でのFOSS(Free Open Source Software)についてはあまり興味はなかったけれど(途上国ではどんなソフトもただ同然で違法コピーが出回っているので、特別FOSSを意識しなくても、実質、だいたいタダだし・・・などと思っていた不届き者でスイマセン。。。)、こういう記事を見ると、FOSSも途上国のIT利用において、重要な位置を占めるのだと感じる。FOSSA (Free Open Source Software in Africa)なんていうWebサイトもあるし、価格や違法コピーの問題だけでなく、“カスタマイズが自由に出来る”という点で、その国、その地域、組織にあったソフトが作れる点でも可能性があると思う。やっぱり、先進国から持ち込まれた技術じゃなくて、途上国の人たちが自分達で生み出した技術の方が、その国にはマッチするだろうし。途上国の人々を生産者・創造者として見なすICT4D2.0的な視点からも、FOSSの可能性には期待できそうです。

ケニアのコーヒー農家を支援するソフトとは」への5件のフィードバック

  1. Tetsuo Kato

    タイのHOSPITAL OSも興味深い事例ですよ。地域の病院や診療所向けに電子カルテや顧客管理システムを提供し、経営レベル、医療レベルの底上げを図っているようです。ネパールなど他地域にも展開中のよう。

    返信
  2. tomonarit 投稿作成者

    Tetsuoさん
    コメントどうもありがとうございます。早速、タイのHOSPITAL OSのWebサイトを見てみました。
    http://www.hospital-os.com/en/index.php
    途上国でのFOSS活用例は結構あるのですね。HOSTIPAL OSがネパールなど他地域でも展開されるように、ケニアのCoopWorksも、コーヒー産地として有名なエチオピアなどでも使われる可能性がありそうだなぁと思いました。自分はテクニカルなところは弱いので自分じゃソフト開発出来ないのが残念です・・・。

    返信
  3. Tetsuo Kato

    途上国の方がOSSの活用は進んでいるかもしれません。スリランカのオフショア開発会社にあった事があるのですが、彼らの開発プロダクトはほとんどOSSベースでした。独自のプロダクト開発に求められるレベルはどうしても高くなってしまうので、OSSをベースにしたソリューションが途上国のIT会社の基本のようです。

    返信
  4. tomonarit 投稿作成者

    なるほど、途上国でのOSS利用って以外に進んでいるんですね。自分がエチオピアに居たときは、あまりFOSS利用について考えたことがなく、実際、学校などでも普通に違法コピーソフトが利用されてました。同僚のIT教師が地方政府主催の講習会に行ったら、「ソフトのインストールのレッスンで、俺の知ってるライセンスキーが使われてた」と言ってたのが印象的でした。また、リナックスOSを普及させようとしていた青年海外協力隊員がいたのですが、話を聞いてみると、あまり普及していない様子。
    「FOSS=無料」というFOSSのメリットの一面しか見ていないと、違法コピーソフトもタダ同然なので、FOSSのメリットがない。でも、無料ということよりも、自分で作りこむことが出来るとう「創造性」がもっと大きなメリットであり、「開発スキル」までを教えないと普及しないのだと感じます。
    ケニアやタイやスリランカでは、「開発スキル」を持つ人々がある程度いるが故に、FOSSの活用が実現されているかなぁと思います。
    実際にエチオピアでリナックスOS紹介に尽力された方々も、もしこのブログ見てたら、是非、コメントお願いしますね。

    返信
  5. ピンバック: ICT4D, education and training会議 « ICT for Development.JP

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