『オフショア開発』と『IT人材育成プロジェクト』は似てる?

はじめて投稿します。私も時々情報発信して盛り上げていけたらなと思います。よろしくお願いします。
さて、早速本題に入ります。

先日、同僚と話をしていて、「オフショア開発」と「途上国支援としてのIT人材育成プロジェクト」って似てない?という話題になったので、整理してみようと思う。

ちなみに、「オフショア開発」とは民間企業がシステム開発の下流工程(詳細設計、プログラミングなど)を人件費の安い国にアウトソーシングするシステム開発手法である。日本からだと中国・インドなどに発注することが多く、私も前職の時はよく中国企業と仕事をしていた。
一方、「途上国支援としてのIT人材育成プロジェクト」とは、援助機関やNGOが実施している、大学や職業訓練校などでIT人材を育ててその国のIT競争力や所得を向上させることを目指すプロジェクトである。例えばJICAのフィリピン高度IT人材育成プロジェクトなど。

この二つだが、前者はビジネス、後者は途上国支援と目的は異なるが、結果としてITスキルを持った人材を輩出することになる、という意味で似てるのでは?、という話である。

確かにそういう意味では似ている。では、どちらかに優位性はあるのか?

まず、オフショア開発は下流工程を下請けに出すことで経費を削減する商業目的で行うため、非常に効率的である。発注企業側も必死で業務指示・レビュー・改善を行うし、受注側の企業も次の仕事を得るために必死で期待に答えようと技術者を育成する。ほっといてもPDCAサイクルが回る仕組みになっている。おそらく人材を効率よく育成するためにはこの方法が理想的だなぁと思ってしまう。最初は下請け中心ではあるが、これを繰り返すことで企業の技術レベルも上っていき、雇用も増え、先進国企業に近づいていく。(技術力では越えてしまうケースもあると思う。)

じゃあ全ての途上国にこの方法を活用できるかというと、そうもいかない。発注企業側が利益をあげるためには、それなりの技術力、人件費、言語、時差などが条件になるからである。
それを考えると、技術力の割に人件費の高いアフリカなどはこのタイプの投資は難しいのかもしれないし、日本のオフショア先に日本語の出来る中国企業、アメリカのオフショア先に英語の出来るインド企業が選ばれてきたのは人件費の観点からも必然と言える。
そうなると、やはり先進国企業に振り向いてもらえるレベルにとなるまで支援をする必要があり、IT人材育成プロジェクトのような形での支援が必要になってくる(もちろん自力で育成できる組織・資金が十分ある国であれば話は別だが)。

じゃあどのようなプロジェクトが効果的か、問題点は何か、という点については、今後そのようなプロジェクトを担当して、また気づいた点があれば報告したいと思う。

最後に余談だが、IT企業と官民連携でCSRとして人材育成を・・・というのも考えたことがある。しかし、先進国企業のノウハウを使うためにはその企業と同じ環境を構築して人を出して・・など事前費用もかさみ、ビジネスとして行うから自動的に効率性が高まるという大前提を考えると、なかなか効果的な連携ができる企業は少ないんじゃないかなぁ、と思う。でも連携していけたらいいなぁ、とも思う。

『オフショア開発』と『IT人材育成プロジェクト』は似てる?」への4件のフィードバック

  1. tomonarit

    CSRだと、インドのDatamation社は、自社で(正確には会社トップがやってるNGOで)貧困層女性をIT技術者に育成して、自社の仕事のアウトソース先にするということ(ソーシャル・アウトソーシング)をやってますね。途上国でもインドのように自国内で実力のあるIT企業があれば、先進国企業との連携ではなくて、途上国の実力ある企業と連携するという可能性があるかも。
    一方、シスコなんかは途上国にITスクールを立上げており、自社製品の売り込み&アウトソース可能な技術者育成に、かなり長期的に取り組んでいる印象があります。確かシスコのITスクールはUNDPが協力していたと思います。こういう企業と援助団体の連携もありますね。

    返信
  2. Maki

    このテーマ非常に興味があります。
    Datamationの件、以前社内のタスクフォースで記事を書きましたので別途投稿させてください!(コピペですが・・)

    確かに日本のIT企業と途上国の末端にいる労働者はつながらないかもしれないけれど、Tomonariも言っているようにその中間に立つ組織次第でそれも可能なのかもしれないと思います。

    昔IT会社にいた際、オフショアアウトソースの案件がありました。顧客との交渉で大幅コスト削減を要した際、ついに出てきたオフショア側の最終価格は日本の同レベルの技術者の1/6!それでも利益が出せる仕組みはまったく理解できなかったもののブリッジになっていた現地会社のその先には、大学生インターンの活用とのこと。

    日本側から見れば安い労働力の確保というメリット、オフショア(学生)側から見れば実践的OJTというメリット、そして中間に立つブリッジの会社は両者の間で利益も確保できていた(はず)構造だった。
    悪いように見れば搾取的構造かもしれないけれど、良いように見れば労働機会の提供、人材育成とかいう視点に当時はまったく気がつかずでした。

    一社支援ができないバイの開発機関ができることって、そうした中間にたつ企業や組織のバックアップのファンドとかを作ることなんでしょうか・・・。

    返信
  3. ピンバック: ソーシャルアウトソーシングによる 貧困削減と雇用創出 « ICT for Development.JP

  4. Kanot 投稿作成者

    コメントありがとうございます。
    なるほど。色々やってる企業はあるんですね。
    インドの企業のように同国内であれば、確かにハードルはすごくさがりますね。支援する企業は必ずしも先進国からじゃなくても成功した同国内とはごもっともです。参考になります。

    また、シスコとかのように、現在のビジネスというよりは将来の顧客層として先行投資するのもありかもしれませんね。

    Makiさんの例では、確かに机上では利益がでるモデルなのかもしれませんが、本当に利益が出たのか(納期どおりに納品できたのか)とかが気になるところですね。

    返信

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