Gameと国際協力

最近、「世界から貧しさをなくす30の方法」(田中優、樫田秀樹、マエキタミヤコ 編集)という本を読んで、援助のネガティブな面や貧困がなくならない世界の仕組みなどを改めて痛感した。日本で安価なチョコレートを食べているが、その背景にはガーナのカカオ農場での児童労働があるとか、東南アジアでは日本にエビを輸出するためにマングローブ林が切り開かれてエビ養殖池になっている(タイのマングローブ林は20年間で半減)とか、といった話。映画「おいしいコーヒーの真実」を見たときのような感じ。

また、「国際協力師になるために」(山本敏晴著)という本を読んだ(面白かった。細かい内容はここでは書かないので、興味がある方は、是非、喚んでみて下さい)。その中で、著者がやろうとしていることが3つ書かれていた。その3つとは、以下の通り。A.「プロの国際協力師の養成」、B.「企業の社会的責任(CSR)の推進」、C.「賢い消費者を育てること」。そして、そのためのアプローチとして以下の3段階が紹介されていた。

  1. きっかけの提供
  2. 最初の一歩
  3. 意味のある活動の考え方の紹介

今日、テレビを見ていたら戦場カメラマンの渡辺陽一が戦場やその他の途上国ことなどを紹介していた。こういうのも、国際協力の世界に興味を持つ「きっかけ」になるのだろう。本からの情報やテレビからの情報によって、国際協力や途上国のことに関心を持つというのが、「きっかけ」としては多いのだろうと思う。24時間テレビとか。

そんななかで、今後はコンピュータゲームも国際協力に関心を持つ「きっかけ」になっていくのかなあと感じる。MIT Global Challenge というMITの学生を対象とした企画コンテストで、途上国の水問題を解決するためのオンラインゲームを開発するチームが賞を受賞した(賞のレベルは賞金が10,000USD 、7,500USD、5,000USDと3種類あって、このチームが受賞したのは5,000USDの賞)。このゲームはAQUAという名前で、タンザニアのある村をサンプルに、ゲームにその村の実際の水問題が出てきたり、その村の住民が映像で出てくる。プレイヤー達は実際の問題を改善するためにゲームを通じて寄付したり、アドバイスしたり、改善の経過をモニタリングしたりすることが出来る仕組み。Youtubeの映像を見る限りは、ゲーム自体は面白くなさそうだけど、アイデアが評価されたのかと思う。

関連して、そういえば似たようなオンライゲームの話が以前InfoDevのサイトにあったことを思い出した。Evokeというオンラインゲームだ。自分は参加していないので詳細はわからないけれど、アフリカにおける様々な社会問題(女性の地位向上、災害や暴動時の緊急ネットワーク構築、食料問題への対策など)に対する改善策をプレイヤー達が考えるというもの。プレイヤーは与えられた問題の解決案作成のため、チームになってオンライン上でコミュニケーション(ブログを使ったり、映像や動画を共有したりして、各自の知識や調べたことを共有する)をとり、最終的に質の高い改善案をまとめあげる、というのがゲームのゴール。当初はアフリカの若者を対象としていたが、実際は世界150ヶ国から、援助開発業界のプロや教育者など様々な人たちが参加し、ユーザー数は18,500人になったという。さらに、最終的に質の高い改善提案については、Globalgivingというサイトで紹介され、それを実施に移すための資金集めまで行われている。以前から、Globalgivingについてもブログに書きたいと思っていたので、ついでに紹介すると、P2Pファンディングで有名なKivaの途上国開発プロジェクト版みたいなサイト。いくつもの開発プロジェクトがリストアップされていて、自分が気に入って支援したいと思うプロジェクトがあれば、寄付出来る仕組み。イースタンリーの「傲慢な援助」のなかでも、政府を通すことで弊害が起きる公的援助に対してダイレクトな援助の方法として紹介されている(435ページ)。Evokeは今は一旦お開きになって2011年中にまた新シリーズが始まるらしいので、そのときは自分も参加してみたいと思う。

このように、今後は国際協力に興味をもつ「きっかけ」の1つにゲームも加わっていくのかと思う。とはいえ、ゲームはあくまでも「きっかけ」や「最初の一歩」。今日見た渡辺陽一のテレビでアフガニスタンの戦場で、アメリカから操縦されている無人飛行機が爆弾を投下しているシーンがあった。アメリカにある清潔なオフィスで、テレビ画面の前に座っている兵士がその飛行機の操縦に使っているコントローラは、まるでゲーム機のコントローラそのもの。ゲーム感覚で戦争やってるように見えてしまった(実はそうじゃないのかもしれないが)。
途上国開発も、現場に行って見なければ本当のことはわかりっこない。
とはいえ、AQUAやEvokeの取り組みがどう発展していくのかは興味深いところだ。

Gameと国際協力」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: LinkedInのVolunteer Marketplace機能開始から考えるICT4D | ICT for Development.JP

  2. ピンバック: ゲーム for Development | ICT for Development.JP

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