LinkedInのVolunteer Marketplace機能開始から考えるICT4D

LinkedInVolunteer

LinkedIn が新しいサービスを開始したというニュースを見た。Volunteer Marketplaceというサービスで、ボランティア業務が検索可能になるというもの。CSR的な目的や職探しをしていない人達でもLinkedInを使うようにしてユーザを引き付けるなどの意図があるようだ。自分はあまりLinkedInって使っておらす、LinkedInでは既にそういうことはやっていたのかと思っていたので、このニュースを聞いて「へー、今までやってなかったんだ」と少し驚いた。そして、そういえば、似たようなサービスをやっているWebサイトがあったなぁと思い出した。

ウィリアム・イースタンリーの「傲慢な援助」に、そのWebサイトは紹介されていたGlobalgiving.comである。このブログでも「Gameと国際協力」というポストで以前少しだけ紹介したことがあったけど、改めてご紹介。

一言で言えば、様々なプロジェクトに対する資金集めのクラウドファンディングのWebサイトである。掲載されているプロジェクトに寄付出来る点は当たり前だけど、Globalgiving.comではGift Cardを送るサービスもやっている。例えば、10ドル分を贈り物として友人に送り、その友人が10ドルをGlobalgiving.comに掲載されているプロジェクトのどれかに寄付出来るといったものだ。なかなか面白い。

そして、LinkedInのニュースで何故思い出したかというと、Globalgiving.comではWebサイトからお金を集めるだけではなく、プロジェクトにボランティアとして参加するためのボランティア業務の募集も沢山掲載されている点が特徴的だからだ。どんなボランティア業務があるのかパッと見てみたら、現地の活動を支援するボランティアもあれば、現地に行かずともFacebookやTwitterでの活動を支援を行うSocial Media Volunteerなんてのもある。

「傲慢な援助」での紹介を読むと、「援助の出会い系サイト」という比喩が使われており、資金集めだけでなく専門家と援助の仕事をマッチングさせるような点が結構強調されいるけど、実際にGlobalgiving.comのサイトや紹介ビデオ(上記)を見ると、そこの部分はそれほど力が入っているわけじゃないのかな?と思う。ボランティア業務の紹介も、Volunteermatch.orgという別サイトへのリンクとなっているし。

先日取り上げたFacebookのDonate now機能やLinkedInのボランティア業務検索機能といったように、途上国援助に関わるためのハードルはICTによってどんどん低くなって来たなぁ、と感じる。これは間違いなくICT4Dの大きな効果の1つだと思う。人(ボランティアのマッチング)と金(クラウドファンディング)は確保できる仕組みが出来てきたから、次はモノか? 「売ります・買います」サイトみたいのの世界版・・・、なんか違うな。さて、次はどんな新しいサービスが出てくるのか?もっともっと途上国援助に関わるためのハードルを下げられるような仕組みや、以前このブログに書いたアイデア(下記のもの)のような取組みも出てくるかな?

KivaのようにP2Pで途上国と先進国の個人が繋がる仕組みが当たり前になっている。FOSS4Dの分野でも、ニーズのあるソフト開発案件がリスト化されてて、参加したいと思う技術者(先進国、途上国問わず)が「参加する」投票をして、ある一定のリソースが確保されたらプロジェクト開始みたいな、Kivaのソフト開発プロジェクト版のようなサイトが登場して来たら面白そうだ。また、これまで途上国開発に参加していなかったアクターの参加が可能となることのインパクトは大きいし、個人レベルで途上国と先進国の人達が共同作業をする場が出来たら、それは単なるFOSS4Dという枠を超えて、途上国開発のあり方自体に変化をもたらす素晴らしいことだと考えられる。

LinkedInのVolunteer Marketplace機能開始から考えるICT4D」への3件のフィードバック

    1. tomonarit 投稿作成者

      Ozakiさん、早速のコメントありがとうございます!
      でも、
      『次はモノか?』の意図したところは、Kickstarter等とはちょっと違う感じなので、もうちょっと書きます。

      例えば、途上国の田舎の学校にパソコン教室を作ろう!というプロジェクト企画があったとしたら、

      Kiva等クラウドファンディングで資金調達をしつつ(←「金」)、LinkedInのVolunteer Marketplace等で中古PCにリナックスのOSやオープンオフィスをインストールしてくれるボランティアを探し(←「人」)、「いらないPCを寄付して下さい。」ってWebサイトで中古PCを集める(←「モノ」)、みたいなことです。

      この最後の「モノ」集めのサイトは、「金」や「人」集めのサイトよりまだあまり聞かない気がしていたのです。

      また、プロジェクトに紐づく「人・モノ・金」のすべてを一緒にマッチング出来るサイトもあっても良いのになぁと思います。そして、LinkedInやFacebook等のSNSと連携して、どんな人がどんなプロジェクトにどんな形で参画しているのかも見えるとおもろい。「あっ、こんな人(例えば、有名人とかビジネス界リーダー的な人)がボランティアとして参加しているなら、自分もしようかな?」とか、「カッコいい人やら可愛い人が沢山参加してるから、自分も参加しようかな?」とか、そんな動機で参加する人も出てくるかも。

      他にも、「自分はボランティアしたり、お金出すのはキツイけど、不用品の寄付ならOK」ってな人も、プロジェクトを支援出来るし。今、クラウドファンディングのサイトを見ると、資金確保状況がパーセント表示されているけど、①資金確保状況のパーセンテージ、②ボランティア確保状況のパーセンテージ(こんなスキルを持った人が欲しいというリストみたいものが、合致するスキルを持つ人の参加表明によって次々と埋まっていくイメージ)、③モノ集め状況のパーセンテージ(必要なモノリストが順次埋まっていくイメージ)、みたいなものが一緒に見れたら、プロジェクトの準備状況がより立体的に見られて面白いし、参加の方法の選択肢も広がる(=より途上国開発のハードルは下がる)。そして、プロジェクト参加を通じて人々のネットワークも広がる。

      こんなことが始まったら面白いなぁと思うのですが、どうでしょうか?

      返信
      1. Ozaki Yuji

        —–
        この最後の「モノ」集めのサイトは、「金」や「人」集めのサイトよりまだあまり聞かない気がしていたのです。
        —–

        カネの移動はほぼオンラインでできるし(Know Your Customerに端を発する送金規制はありますが)、人の移動はパスポートやビザの問題なので、見えやすくて対策が打ちやすい。

        これに対し、モノが国境を越えて動く場合、安全保障の観点から、輸出入や通関、環境規制などを考慮する必要があるんでメンドクサーではないかと。例えば、中古パソコンや携帯電話の場合、中古機器に対する各国輸出入規制、キャッチオール、バーゼル条約などが絡んできそうです。
        http://www.jetro.go.jp/world/japan/qa/export_01/04A-000941
        http://www.env.go.jp/recycle/yugai/basel_info/index.html
        http://www.env.go.jp/recycle/yugai/index1.html
        http://www.safenet-inc.jp/about/default.aspx?id=66&LangType=1041

        ソフトウェアにも輸出先に絡む規制があったと記憶しています。以下はアドビシステムズ社製品の例です。
        http://www.adobe.com/jp/support/pdfs/export.pdf

        個人的には、協力対象国でAmazonっぽいECサイトが運営され(当該国内調達が原則)、そこのウィッシュリストに対してクラウンドファンディングを受け付ける、みたいな仕組みがあってもよいのかと。=> 中古じゃないですけど…。
        パソコンや携帯電話は、下手に中古を調達・購送するよりも、運用面含めて新品買った方がトータルで安くつく、かもしれないですし。

        そう言う意味で、ニーズ(苦笑)にあったモノを、Kickstarterなんかでイチから企画して作っちまうのも悪くないんじゃないかと考えた次第です。ちと飛躍しすぎではありますが…。

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