IT Sourcing for Development: International Workshop@マンチェスター大学

ICT4D修士コースを提供しているマンチェスター大学が、「IT Sourcing for Development: International Workshop」という会議を10月に開くということで、現在、論文募集中です(7月11日締切)。ご興味ある方は応募してみてはどうでしょうか。

テーマは、会議のタイトルどおりに、「IT Sourcing」というもの。世の中には、Samasourceをはじめ、色々なソーシャル・アウトソーシングがあって、途上国開発をビジネス面から促進させる取組であり、単純にこういうビジネスは素晴らしいなぁと思う。

このテーマでどんな研究発表が行われるのか?ソーシャル・アウトソーシングの成功の秘訣とかかなぁ。と思って、この論文募集のWebに掲載されていた参考文献の1つMalik, F., Nicholson, B. & Morgan, S. (2013)Assessing the Social Development Potential of Impact Sourcingを読んでみた。その内容を簡単に紹介すると、以下のようなもの。

  • インパクト・ソーシング(←自分はソーシャル・アウトソーシングと同じ意味と理解しています)に関する研究は、そのビジネスの持続性にフォーカスしたものが多く、その開発効果にフォーカスしたものは少ない
  • なので、この論文はインパクト・ソーシングの開発効果の方にフォーカスしてみた
  • アウトソーシングする会社に雇われた人達(あまり裕福でない層)が働くことを通じてどのような変化(開発の観点からの変化)を体験しているかを調査するのが目的
  • 具体的なフレームワークとしては、Capability Frameworkに沿って以下3つのカテゴリ(Capabilities、Conversion Factors、Resources、)に変化を整理するという試み(以下、論文からの抜粋です)
  1. Capabilities include a set of potential and achieved functionings which the Impact Sourcing initiative may have enabled in marginalized outsourcing employees.
  2. Conversion Factors include all elements which may enable or restrict an individual from being employed, for example, lack of skills, lack of resources, cultural constraints, family support, etc.
  3. Resources include all tangible or intangible resources which act as capability inputs and opportunities provided by the outsourcing service provider to extend capabilities or to minimize the effect of restrictive conversion factors. For example, provision of training, a conducive work environment, provision of internet and computers etc.
  • ケーススタディとして、インドで女性を主な対象にインパクト・ソーシング事業を展開しているHarva outsourcing centreで働く女性10名に対してインタビューを実施した
  • 調査結果としては、(ちょいと自分の解釈を加えていますが、)無料でICTトレーニングを受けられたり、オフィスでスマートフォンを使わせてもらえたり、空き時間にインターネットを私用で使わせてもらえたりといったResourcesの提供があり、家計を助けるために働くという意欲や、学習する意欲、家族の理解などのConversion Factorsが高まって、スキルを身に着けて働いて稼ぐ、将来のために貯金する、といったことが出来るようなると共に自信が持てるようになるといったCapabilityの向上もある
  • ただし、この調査ではポジティブな側面しか見ていないので、ネガティブな側面についても今後突っ込んだ研究が必要

と、上記のような内容でした。

学術的な観点ではセンのフレームワークを使って開発効果を整理している点などが良いのかもしれませんが、いいことばかりの内容にちょっと物足りなさを感じました。また、この観点からすれば、別にインパクト・ソーシングでなくても、雇用創出の事業ならば同じような結果になるのではないかとも思い、ICTを使ったインパクト・ソーシングならではのポイントがあるともっと面白くなるんじゃないかと…。この分野の文献などあまり読んだことがないので、ちょっと勉強してみたくなりました。

IT Sourcing for Development: International Workshop@マンチェスター大学」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: ITアウトソーシングと途上国開発 | ICT for Development.JP

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