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【公募】ルワンダ ICTイノベーションエコシステム強化プロジェクト専門家

こんばんは。Kanotです。JICAの公募で珍しくICT関連の専門家情報が出ていますので、お知らせです。

ルワンダ ICTイノベーションエコシステム強化プロジェクト 業務調整・サブチーフアドバイザー

私も今年に入って既に5回、ルワンダICT関連の投稿をしていますが、今ICT4Dでは最もホットな国の一つであるルワンダへの長期派遣になります。すでにチーフアドバイザの山中さんは赴任しており、その補佐や調整業務を行うことになるようです。ご興味ある方、ぜひご応募ください。

【ご参考:過去の私のルワンダ関連投稿】

 

第4回オフ会(2017年12月2日)(満員御礼)

こんばんは、Kanotです。先日アナウンスさせていただいた、2017年12月2日(土)の「第4回オフ会」について、なんと15名を超える参加希望をいただいています。ありがとうございます!民間から大学、そして公的機関まで国内外で活動している色々なバックグラウンドの方が集まるようで、大変楽しみです。

当日は、私から留学中に学んだ最近のICT4D関連のトレンドを紹介しつつ、メインは皆でざっくばらんに意見交換したり、知り合いになったりできるような場にしたいと思っています。

(11/13 追記)おかげさまで満員御礼になりました!!

会場的にまだ数名分余裕がありますので、締め切りを延長したいと思います。ご興味ある方は、以下のリンクに申し込み方法等の詳細がありますので、そちらからお申し込みいただけたらと思います。

↓詳細と申し込みはこちらから↓
第4回オフ会(兼 Kanot帰国祝い)のお誘い

お待ちしております!!

 

メルマガ解除と男女の別れ(UI/UX編)

別れたがってる人にしつこく接しても、自分の評価を下げるだけ。すっぱり別れた方が今後のためには良い。

こんばんは、Kanotです。日本に帰って来て以来、メールマガジン(メルマガ)や広告メールの登録解除が面倒すぎて、いちいちイライラしています。メール配信を止めるために、メール下部にある「登録解除」をクリックすると、ログインが求められ、渋々ログインして、ようやくメール登録解除が終わったら、不要な「メルマガ解除しました」メールが送られて来ます。

これは日本では当たり前の光景ですが、世界的にも当たり前なのでしょうか?

否です。アメリカのほとんどのメルマガは、下部にある「unsubscribe」をクリックすれば、ログインを求められることもなく、すぐに登録が解除できます。もちろん「解除しました」メールなんて送られてきません。

この違いは何なのでしょう?私はこの差は文化などではなく、デザイン、特にUI/UX(User Interface/ User Experience)にしっかり投資をしたかどうかの差な気がしています。

日本のサイトで登録解除が複数ステップなのは、以下のような理由かと思います。

  • せっかくお金かけて獲得したユーザを離したくない
  • 引き止めたというエビデンスを残したい
  • これがよいデザインと思っている
  • ログイン時の他人のなりすましを防ぐ
  • 何も考えてない(昔からこのデザイン)

確かにこれらも企業の視点では一理あります。しかし、ユーザの気持ちになって考えると、メルマガ解除したい人の心理は、ほぼ以下のような感じかと思います。

メルマガを止めたいと思ってる時点で、もう受信したくないと決めているのに、「登録解除」リンクをクリックしてもログインを求めるとか、ホント面倒だ(パスワードわからない時なんかはキレそうになる)。そして、ログイン後も迷子になり、なんとか登録解除ページを探し出したとしても、追い討ちをかけるのが「解除しました」メール。こんなメール不要だよ。もう二度と登録しない!

これを男女の関係に例えるとこんな感じでしょう。

もう別れる意思は固まって電話してるのに、本人確認とか、ほんとしつこい(「合言葉が違います」なんて言われた日にはキレそうになる)。そして、なんとか説得して別れることに成功して電話を切っても、追い討ちをかけるのが「私たち別れました。認識合ってますよね?」メールが来る。こっちから言い出したんだから、わかってるっちゅうねん。二度と付き合うか!

つまり、言いたいことは、メルマガ解除したがってる人に抵抗することは、このくらいセンスのないことで、ただ企業イメージを下げるだけで何一ついいことはないと思います。

むしろ、リンクをクリックして一発でメルマガ解除できたら、「なんだ、いいやつじゃんか!」とその企業の好感度は上がると思います。今時の技術を使えば、メルマガのリンクにユーザ情報を暗号化して埋め込むなんて朝飯前で、リンク一発解除も簡単に実装できます。

つまり、本気でユーザの使い勝手と企業イメージを考えたら、こういったデザインはありえないと思います。にも関わらず、このデザインが残ってるのは、日本企業がUI/UXを軽視してる現れじゃないかと思わざるを得ません。

アメリカでは、いまUI/UXは旬の分野で、企業は多大な投資を行っています。日本の企業がこういった見えにくいところで海外の企業に置いてかれている気がして心配です。

私見に溢れた投稿である点はご容赦ください・・・。

ルワンダにおけるOLPCの課題

お久しぶりです、Kanotです。いきなりですが、ICT4D史上、最も賛否両論を生んだプロジェクトとはなんでしょう?

タイトルにキーワードが入ってるので既にネタバレしてますが、それはOne Laptop Per Child (OLPC)です。勝手に言い切ってしまいましたが、おそらくICT4D関係者なら異論がないのではないでしょうか。OLPCとはMITのニコラス・ネグロポンテ氏が主導した、小学校の子どもたちに$100程度で作られたノートパソコンを配り、教育に役立てるというプロジェクトです(下の写真参照)。「物をあげることが効果的か否か」というICT4Dでよく起こる議論の象徴のようなプロジェクトで、このブログでもなんと過去10回もOLPCがタイトルに含まれる投稿がありました(笑)。

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今回取り上げるルワンダにおけるOLPCですが、NPOの枠を越えて、国策として展開されています。ルワンダ政府が出しているICT Sector Profileによると、2015年時点で756の小学校に約25万台が配布済みです。そのOLPCについて、ルワンダで青年海外協力隊として活動しているタケダノリヒロさんがブログで取り上げていたの紹介したいと思います(現地の動画付き!)。

ルワンダノオト〜ルワンダの子どもにPCを!OLPCの現状と課題〜

今回の投稿に使っている黒板の写真もタケダさんが撮ったものです。ブログにはルワンダのOLPCの現状をまとめた動画もありますので、OLPCについてよく知らない方はぜひご覧ください。

さて、本題のOLPCの課題についてですが、タケダさんのブログでは、以下のように言及されています。

  • 教師が使い方をわかっていない。教師向け研修もあるのだが、そのトレーナー自体が使い方をよくわかっていない。
  • その結果、PCの授業ではPCの仕組みであるキーボード、マウス、メモリ、などと行った知識しか教えられない。(黒板の写真がそうですね)

この点はまさに私がルワンダ滞在中に聞いたOLPCの課題の一つです。OLPCのメリットはPCやインターネットの可能性を子どもに教えることであり、PCの仕組みを教えることだけでは、本来テクノロジーの持つ楽しさ・ワクワク感などは伝えられないと思います。その他にも私のルワンダ滞在中のヒアリングを通じて、以下のようなOLPCの課題を聞きました。

  • PCを失くすと先生の責任になるため、授業時以外は先生が保管している。これでは自宅に持ち帰って遊びを通じてPCを学ぶということができない。
  • 電気が安定しないルワンダでクラス全員でOLPCを使うということは、教師が授業前にそれらをいちいち充電するということになりわけで、教師の負担が非常に大きい。
  • OLPCにはWifi機能があるが、ルワンダの小学校でクラス全員が同時に繋げるようなWifi環境など存在せず、結局ネットには接続できない。

一方、じゃあOLPCは全く不要なのか?と言われるとそこはわからないというのが正直なところです。本ブログの「OLPCは失敗例の見本なのか? (2010/4/12, tomonarit)」投稿にもある通り、OLPCはただのツールであり、他の要素が揃わないと成果は十分に発揮できないので、現状だけを見てOLPCは失敗と言い切ってしまうのは乱暴かもしれません。つまり、先に挙げた指摘の逆を返すと、電気があってネットがあって、そして教師が正しく教えられさえすれば、OLPCは協力な教育ツールになるポテンシャルを秘めているという言い方もできないこともないので・・・。

もしこれを読んだ皆さんが途上国の現場でOLPCがうまく使われている例をご存知でしたらぜひ教えていただきたいです。

バングラデシュ・ルワンダ・アメリカ・日本のコミュニケーション文化の違い

こんにちは、Kanotです。これまでバングラデシュ(3年)・アメリカ(2年)・ルワンダ(3ヶ月)と住んでみて、それぞれの国・組織でコミュニケーション文化がだいぶ違ったので、備忘録も兼ねて、それを書いてみようと思います。(注:筆者の個人的な経験に基づきまくってます。

1. バングラデシュ(政府系の場合)2012/8 – 2015/8まで滞在

携帯電話での通話がコミュニケーションの大半を占める。政府・民間などの所属にかかわらず、基本的には全て携帯での電話が重要視される。仕事でも当たり前のようにお互い携帯電話番号を交換し、あまり急ぎでない内容でも電話をかける。SMSもEメールも政府関係者は見ているかよくわからないのであまり使わない。固定電話は品質が悪いので、あまり使わない。電話以外の方法で政府関係者とアポを取るのは困難。携帯電話をマナーモードにしない人も多く、年中どこかでピロピロ鳴っている。ミーティング中でも電話が鳴れば、だいたい「Sorry」とか言いながらも出る。それによってミーティングが中断することは頻発。

2. ルワンダ(商工会議所の場合)2017/5 – 2017/7まで滞在

携帯電話の通話の比重が大きいものの、バングラデシュほどではない。その一方、WhatsApp(LINEのようなアプリ)の使用率が非常に高く、ビジネス関係の連絡もWhatsAppのチャットで連絡を取ったりする。メールやSMSも使われてはいるが、リアルタイムでやり取りできるWhatsAppの方がスムーズに行くケースも多い。ミーティング中でも電話が鳴ったら「Sorry」と言いながら取り、ミーティングが中断するのはバングラデシュと一緒。

3. アメリカ(大学の場合)2015/8-2017/8まで滞在

メールの比率が圧倒的に高い。親しい同僚以外はお互いの携帯電話番号は知らないことも多いが、メールで非常にフランクにコニュニケーションを取る。社交辞令や挨拶などは省いて用件だけを書く一行メールも多く、チャットのようにメールがどんどん交わされていく。初対面の人からでも「Dear XX」ではなく「Hi XXX」みたいなメールが届くフランクさ。ミーティング中は携帯電話はマナーモードにしておくのがマナー。メールやSNSがコミュニケーションの中心なので、会議中に電話が鳴ることは少ない。

4. 日本 (政府系の場合)2012/5まで滞在

コミュニケーションの基本はメール。電話はそれを補助する形で使われることが多い。特徴的なのは、メールがとても冗長で、部下や友人でもない限り、「XX様・XXさま・XXさん」から始まり、「お疲れ様です・お世話になっております・お元気ですか」といった挨拶を挟み、「よろしくお願いいたします」で締めると言った謎の定型パターンが存在する。それに沿わないと「あいつはビジネスの基本もわかってない失礼なやつだ」と思われる。オフィスでは携帯電話はマナーモードにするのがマナー。ミーティング中は鳴っても基本的には出ない。

 

以上、自分の個人的な経験をまとめてみましたが、このように国や組織によってコニュニケーションの仕方が大きく異なるというのは非常に面白いですね。仕事を円滑に進めるには、こう言ったコミュニケーション文化への理解は大事と思います。なお、民間や政府・大学などの分野によっても大きく異なると思いますし、滞在した時期も違うので、「この国はこうだ!」と一般化するつもりは全くありません。あくまで筆者の個人的な体験をまとめただけですので、あしからず。

携帯電話のビックデータ解析から貧困や裕福さが予測可能??

こんにちは、Kanotです。特定の国や地域の経済状況を知る手段として、国勢調査がありますよね。こういった調査が国民の経済状況を理解するのに重要なのはわかるものの、膨大な資金と時間とマネジメント能力がないとできません。そして途上国の場合などは、こういった調査をする土台が整ってないことも多く、例えばアンゴラの例だと最新(2014年)の前の国勢調査は1970年で、その間だけで人口が4倍になっていた、など国勢調査が現状を表していないケースも多い状況です。

その一方で、今や途上国においても携帯電話は一人一台の時代に近づきつつあり、この携帯電話の使い方についてのビッグ・データを解析することで、その人の行動や経済状況って予測できるのでは???という疑問を検証した論文があります。

Science誌に掲載されたBlumenstock氏(U.C.Berkley)の「Predicting Poverty and Wealth from Mobile Phone Metadata」という論文です。Blumenstock氏はICT4Dの経済学的アプローチ究で有名な研究者です。

この論文では、ルワンダの、(1) 携帯電話のビッグデータ(使用履歴・行動履歴)、(2) 国勢調査の結果、(3) 電話インタビューで得た経済状況に関する情報から、どの程度携帯電話のデータだけで経済状況が予想可能かを調べています。

結果としては携帯電話のデータと経済状況には高い相関関係が得られていて、こういったデータを活用することでより早く・正しい推測が可能になるのではとしています。特に効果的なのが時間・資金面の問題で、通常の国勢調査だと途上国でも1億円以上、そして1年以上かかるものが、このビッグデータ解析だと150万円程度、4週間で終わるとしています。

この研究では、通話やメールを中心に調べていますが、FacebookなどのSNSやGoogleなどの検索サイトもかなり行動履歴を持っているはずなので、今後様々なことがこういったデータから予測できる日が近づいてきている(すでになっている?)のかもしれません。

ちなみに、ここで私が面白いなと思うのは、テクノロジーを使って国勢調査を簡単にしましょうという手段の代替ではなく、一見関係ないデータ(携帯電話の使用パターン)から経済状況を推測しようとしている点です。つまり、相関関係から推定する、というやつですが、ビッグデータの可能性を感じるいい機会になりました。

最近読んだ藤原和博さんの本「10年後、君に仕事はあるのか?」でも、これからの若者は人生の半分をネットの世界で過ごすことになると言っているように、もしかすると実生活よりもモバイルやネットでの行動パターンを分析した方がより正確な情報が得られる時代がもうすぐそこに来ているのかもしれません。

ルワンダ「アフリカのHubになりたい」が結構ガチだった

こんにちは、Kanotです。皆さんルワンダってどこにあるかご存知ですか?そう、アフリカです。では、そのアフリカ大陸のどこにあるのでしょうか?

map-of-rwanda

そう。この真ん中あたりの点のように非常に小さい国がルワンダです。(写真:Geology.com)
四方を国(タンザニア、ウガンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国)に囲まれ、港もなく天然資源も豊富ではない小国です。(面積は北海道の3割)

このルワンダが、アフリカのHubになろうと努力しています。それがまた、結構本気でHubになろうとしているので、いくつか既に起こっている事例ご紹介したいと思います。

  1. 国際会議のHub
    未だに日本ではルワンダというと虐殺のイメージが強いですが、実は治安は非常によく、東アフリカ諸国の中で最も犯罪率が低いと言われています。その治安の良さを生かして、安心して国際会議を開ける場所として多くの国際会議を誘致しています。キガリ・コンベンション・センターという立派な会議場も昨年オープンしています。
    実際に2016-2017年だけでも、以下のようなアフリカ・世界規模の国際会議をルワンダで行なっています。
    Africa Union Summit(アフリカ連合の国際会議。2016年7月)
    World Economic Forum on Africa(各界のリーダーが集う国際会議。2016年5月)
    Transform Africa Summit (Smart Africa(後述)の定期会合。2017年5月)
    YouthConnekt Africa Summit (若手・女性起業家支援の国際会議。2017年7月)
    これだけの会議を開催できるとなると国のイメージ向上にもいいですね。
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  2. アフリカ開発のHub
    アフリカをITを使って発展させようというスローガンのもと、Smart Africaというアフリカ諸国による国際機関が2013年に立ち上がっています。IT立国を目指すルワンダはそのリーダーシップを取るべく本部をルワンダに誘致しています。そしてその後もTransform AfricaというSmart Africaに関する国際会議を定期的に主催することで、アフリカITのリーダーとして存在感を出しています。
    また、MDGs(ミレニアム開発目標)の後継であるSDGs(持続可能な開発目標)のアフリカの事務局としてSDG Center for Africaもルワンダに事務局を置いています。
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  3. ビジネスのHub
    ルワンダはアフリカ内で2番目にビジネスを開始しやすい国にランク付けされています。実際こちらで起業家に話をしても、本当に数時間で登記が完了するほど起業はしやすく、政府も「アフリカでスタートアップをするならルワンダに来るべし」というメッセージを出しています。
    とはいえ、国内マーケットが小さいことなどもあり、起業後の苦労も多いようですが、ビジネス的な面でもHubを目指しているのは事実だと思います。
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  4. 教育のHub
    ルワンダは教育の分野でもアフリカのHubを目指しています。例えば、コンピュータ科学分野で特に有名なCarnegie Melon Universityがアフリカで唯一キャンパスを持っているのがルワンダです。現在は修士コースだけですが、応募はアフリカ27カ国から来るなど、まさにアフリカのHubとなりつつあります。
    また、African Higher Education Center of Excellenceという世界銀行の高等教育プロジェクトで24の分野のリーダーをアフリカ各国で分けており、その中でIT分野が2つあるのですが、両方ともルワンダがリーダーシップをとっています。
    ・African Center of Excellence in IoT
    ・African Center of Excellence in Data Science
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  5. 地理的なHub
    地図で示した通り、ルワンダはアフリカの真ん中なので、地理的にはHubになる要素はありますね。現在、まさに国際会議などの需要に対応するために郊外に8億ドルをかけた大規模な空港建設を計画しています。ここに多くの飛行機が止まるようになれば、目的地のみならず乗り換えのHubにもなりますので、まさに彼らの目指すシンガポールのチャンギ空港のようになれるのかも?しれません。

ルワンダの本気度が少しは伝わりましたでしょうか。同じく資源と国土の少ないシンガポールをお手本にしているようですが、ぜひ頑張って欲しいですね。