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日立国際電気がボツワナ国営放送局から地デジ放送向け送信機を一括受注

総務省のWebサイトより

総務省のWebサイトより

2013年3月に、このブログで「ボツワナが地デジ日本方式を採用」という投稿をしましたが、関連した続報です。日立国際電気のブラジル子現地法人Hitachi Kokusai Linear Equipamentos Eletrônicos S/Aが、ボツワナ国営放送局から地デジ放送向け送信機を一括受注したというもの。

地デジの方式が、日本方式、欧州方式、米国方式、中国方式とあるなかで、送信機メーカーは基本的にどの方式にも対応する機材を作れるので、日本方式が採用されても、必ずしも日本企業に比較優位性がものすごくあるわけじゃないという状況で、これは嬉しいニュースでした。

地デジ日本方式を世界に広めている総務省が主体となって、ボツワナに地デジ日本方式を推奨し、方式採択が後の日本企業のアフリカ進出にも貢献した好事例。そして、JICAも技術協力プロジェクトを通じてボツワナの地デジ化支援をしています。

ガーナの田舎町

ガーナの田舎町

途上国でのテレビが及ぼす影響力ってのは、先進国以上にあると感じます。スリランカ、ミャンマー、エチオピア、ガーナ、etc.自分が行った事のあるほぼ全ての途上国のかなりの田舎や貧困地域でも、テレビのアンテナは沢山立っていて、そして人々はみんなテレビ大好き。まぁ、熱中して見てるのはサッカーとか「アメリカン・アイドル」的オーディション番組だったりしますが。10年くらい前にエチオピアで青年海外協力隊で居たときに、同僚のエチオピア人が、「食料不足を改善するために、政府は各農家にテレビを配れば良い」といっていたのを思い出しました。ボツワナの人たちの生活向上に貢献する地デジ放送が始まることを期待したいです。

スリランカが地デジ日本方式採用を決定

総務省Webサイトより

総務省Webサイトより

何度かこのブログでも地デジについての投稿をしていましたが、最近、また地デジ日本方式採用国が増えました。5月20日の総務省プレスリリースによると、スリランカが地デジ日本方式採用を決定したとのこと。2010年時点ではスリランカは欧州方式の採用を決定していたものの、日本方式の技術的な優位性を考慮して、「やっぱり日本方式」と方針を変えたようである。

日本方式の優位性は、同じアンテナで携帯端末と固定テレビの両方の放送が可能な点や、緊急警報システムがスムーズに使える点など。あとは、データ放送についても実際に色々と実践しているという点も考えられる。

総務省のWebサイトには、以下の総務大臣コメントも掲載されている。

「我が国と同様、島嶼国であるスリランカにおいて、どのようにして災害情報を提供するかという社会的課題の解決に、地デジ日本方式をはじめとするICTが活用できます。地デジ日本方式は、スリランカの放送方式をデジタル化するだけでなく、他のICTと組み合わせることで、スリランカにおける防災・減災に威力を発揮し、データ放送と連携して遠隔医療・教育を充実させ、国家の基盤である通信・放送、医療、防災、国土管理、国民融和といった様々な分野で貢献できます。日本方式を採用することで、緊急時には命を守り、平常時においては便利な暮らしをつくる、放送に加えてICTを複合化させることで新しい暮らしを実現できる、スリランカに対してそのように提案してまいりました。」

テレビがデジタル化するだけだと、視聴者としてみるとそれほどメリットは感じない(少なくとも自分は、アナログテレビをデジタルテレビに買い替える際に、なんでアナログのままじゃダメなんだろうか・・・と思ってました)。まぁ、勿論、電波の有効活用という大義名分があるのはわかっているものの。。。
特にこういう思いはお金にシビアな途上国ならなおさらのことと思う。上記のコメントは、そんな自分のような「えー、別にアナログでもいいじゃん」と思いがちな人々に対して、「なんだかデジタル化することで、すごい色々とメリットがありそうなぁ」と思わせる内容に思える。
単なる地デジ放送インフラ整備という文脈でなく、ICT4D全般の支援ということをアピール出来たのは、スリランカを心変わりさせた一因と考えられる。

ICT4D全般の可能性をアピールしてきた日本としては、地デジ放送にからめてどれだけICT4D支援をしていけるのか?が問われるこれからが正念場だろう。
これで日本方式採用こくは17ヶ国になり、日本の技術標準がワールドスタンダードとなりえる分野。南アジアやアフリカなど途上国でこれだけ日本方式が採用されているのだから、「日本の経験を途上国へ」という視点だけでなく、「途上国仕様、途上国発の技術、途上国発の活用方法」といった視点での発展を狙って、幅広い支援が出来れば、本当に日本初&途上国育ちの実践的なICT4D好事例が生まれるのでは?と期待したい。

ボツワナが地デジ日本方式を採用

ITUによる2015年を目途とした地デジ化移行の勧告によって、途上国でも地デジ化の動きがあります。世界の地デジ方式は大きく分けて4種類。日本方式(ISDB-T)、欧州方式(DVB-T2)、米国方式(ATSC)、中国方式(DMB-T)の4種類があり、各国が自国の方式の普及を目指つつ途上国の地デジ化支援を行っている。そんななか先日、ボツワナが地デジ日本方式を採用すると決定しました。

これまで日本方式は中南米を中心に広がってきていたが(正確には、中南米では日本方式をベースにした日伯方式(ISDB-Tb)が普及))、アフリカでは初の採用。世界のICT分野で中国、韓国に押されて日本のプレゼンスが弱まっている傾向にあるなか、ポジティブになれるニュースである。また、アフリカ好きの自分としては、こういうニュースでアフリカのことが日本で取り上げられて、心情的な距離感が若干縮まったりすれば良いなぁ、と感じます。下の地図(総務省のWebサイトから)のように、これで日本方式採用国は日本を含めて14ヶ国となりました。

世界の地デジ

 

今回、欧州方式と迷っていたボツワナが、日本方式に決めた理由は、携帯電話でもTVがみられるワンセグ機能が決めてのよう。携帯でTV見るには、他の方式だと携帯用にアンテナを建てる必要があるが、日本方式ならば地デジのアンテナだけでOK(=経済的)というのが良かったのでしょう。ボツワナの人々が、電車内で携帯とにらめっこしている日本のように、携帯でTVを見るかはわかりませんが、テレビは持ってないけど携帯は持っているという層に対して、情報提供の手段が容易に確立出来る点はメリットと言えます。(そういう層がどれくらいいて、且つ、その人達が携帯でTV見るか?ってのも謎ですが、逆にそういう人達が見たいと思うコンテンツを作るのがこれから必要ってことでしょう)

今回のボツワナを含めて、日本方式採用国の人口は合計すると5.8億人になり、関連機器の市場規模としてもかなりものに。ただ、方式に関係なく各国の機器メーカーは機材を製造しているため、単純に日本企業のみが優位な市場でもないというのが現状。そんな現状であるものの、日本企業には出来るだけ途上国のニーズをくみ取り、BOPビジネスとして、途上国の発展に繋がるような地デジをつかった取り組みを展開していってくれることを期待したいです。また、日本方式の優位性である緊急警報システム(EWBS)を活用した防災分野の支援なども他国で展開されています。このブログでICT4Dネタを扱っているものの、地デジのトピックはあまりなかったですが、今後、地デジや放送分野における途上国開発についても、もうちょっと取り上げていきたいと思います。

 

どうする、e-waste(電子電気廃棄物)?

Brazil and infoDev join forces to tackle e-waste” というタイトルでinfoDevのWebサイトに、世界で5番目に巨大な電子電気・IT市場であるブラジルにおいて、infoDevとブラジル科学技術省とが協力して、電子電気廃棄物(e-waste)処理に関する戦略・政策策定のベストプラクティスを作っていく試みについての記載があった。

以前、知人が日本で不用になったPCを途上国へ送るというプランをIT会社内で立ち上げようとしたら、会社側から「環境への絵影響を考えると日本で不用となるPC(=昔のPC)を途上国へ送るのは、辞めたほうが良い」と言われたという話をふと思い出した。e-wasteの問題は、途上国でICT機材を利用しようとした場合、必ず考慮しなければならない重要ポイントの1つだろう。

一方、日本政府のICT分野での途上国支援を見てみると、「地デジ化支援」というのが結構実施されている。NHKや民放のテレビ局などから、JICA専門家として途上国に派遣されている「地デジ化支援」専門家がいる。世界における地デジ方式にはヨーロッパ方式、アメリカ方式、日本方式などがあり、日本政府としては勿論、日本式を世界のデファクトスタンダードにすべく、アフリカや中南米などに対する導入支援をしている。この7月にボリビアが日本方式を採用したことで、世界10カ国で日本方式が採用されていることになる。

地デジ化は、ITproの記事「地デジはなぜ批判されないのか」にあるように、大量のアナログ用TVが廃棄物(まさにe-waste)として発生させることになる。TV普及率が日本ほど高くないとは言え、途上国でも地デジ化にともなうe-wasteの問題は同様に起こる(起きている)だろう。infoDevとブラジルの記事を見て、日本方式の地デジ化専門家とセットで、e-waste対処専門家も派遣するような試みが必要になっていると感じた。また、先進国では、エコなPCや家電がどんどん主流になる一方で、買換えによるe-wasteが多くなる。途上国でも今後同様の事象がおきると思うと、「e-wasteの有効活用」にビジネスチャンスが潜んでいるようにも感じる。