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ルワンダでのオフショア開発がわかるサイト

以前、縁あってお知り合いになった会社「レックスバート・コミュニケーションズ」がすごく良いサイトを開設されたので、ご紹介します。その名も、「ICT Business with Rwanda 」。

レックスバート・コミュニケーションズ株式会社については、以前このブログでも紹介しましたが、ルワンダでオフショア開発をしている日本の会社です。ルワンダは内陸国で国土も小さいし、アフリカでは珍しく資源に乏しい国。そんな環境もあって、ルワンダ政府は国の発展にICTを活用することをうたっています。国中に光ファイバーケーブルを整備し、ICT環境はアフリカではかなり高いレベルにあると言えます(と、言いつつ、残念ながら自分はまだ行ったことがないのですが・・・)。ジェノサイドの影響で、知識人、有識者が国外(アメリカなども)へ移住してしまったものの、政治が安定してきた今、アメリカなどでICTビジネスに関わってきた人材が帰国し、ルワンダ国内産業の振興に一躍買っているといいます。首都キガリにはk-Labというオシャレっぽいインキュベーションセンターがあったり、ICTパークが出来たり、アメリカのカーネギーメロン大学が出来たり、先日のTICADでもICT関連イベントを開催していたりと、着々とICT立国への道を進んでいるのです。

そういえば、マンチェスター大学のICT4Dコースにもルワンダ人の女性がいました。ルワンダはジェノサイドで大量の知識人、有識者がいなくなったために、国内での若者の人材育成だけでは足りないと考え、国の政策として、インドなどの大学へ多くの留学生を送り出したそうです(欧米はお金がかかりすぎるので、多くの者はインドへ送られたという)。彼女もその一人でインドの大学を卒業し、ルワンダで社会人経験を積んだ後、マンチェスター大学に来たと言っていました。彼女は非常に真面目で頭が良く、そしてクールでした。彼女からこの話を聞いたときに、「なるほど、国を背負っているんだなぁ・・・」と彼女の勤勉さに納得がいきました。

そんなルワンダと日本のIT企業がビジネスを展開しているというはうれしい限りです。「ICT Business with Rwanda 」サイトでも、そんなルワンダ人の真面目さについて書いてありました。ルワンダ人IT技術者の人物紹介なんかもあり、面白いです。「アフリカ」と聞いて、ICTを思いつく人はまだまだ少ないですが、ある意味、こいいうサイトでアフリカの新しい一面を知る機会が増え、「アフリカ=貧困」みたいなネガティブなイメージが変わるといいなぁと思います。

 

アフリカビジネスニュース

アフリカビジネスニュースというWebサイトがあります。その名のとおり、アフリカビジネスに関連する情報が日々更新されています。
ICTに特化しているわけじゃないけど、見ていると思いのほかICT関連のニュースが多い!残念ながら、その大半は日系企業ではなく欧米の通信事業者(特に携帯電話)の取り組み紹介だったりするのですが、非常に面白いです。日本語でこんなに情報が取れるサイトがあるのは、かなり便利。参考までに最近掲載されていたICT関連ニュースをピックアップしてみますと・・・

どうでしょ?タイトルを見ただけでも、思っているよりもアフリカのICTって進んでる!って思いませんか?

アフリカ×ICTの可能性

Kanotの投稿「世界人口の3割がインターネットに接続」でITUのレポート「States of Broadband:2012」について述べられていましたが、そのなかからアフリカにフォーカスしてみた。まずは以下のグラフ。

アフリカのインターネット人口は他の地域と比較すると、100人あたり12.4人とまだまだ低い。さらに、同じITUのレポートからもう一つグラフを紹介。

アフリカにおける固定回線でのブロードバンド利用者数は、100人あたり0.2人という数値。低い・・・。
これだけ見ると、アフリカのICT分野は「まだまだだなぁ・・・」というネガティブな感想を頂く方が大半と思うのですが、以下、ポジティブなデータも紹介(ITUのレポートじゃないですが)。

以前このブログでも紹介させてもらった本、芝陽一郎さんの「アフリカビジネス入門」からのデータ。アフリカと中国とインドのインターネットユーザーを比較した表です。こう見ると、以外なことに、あのIT大国インドよりもアフリカ全体の方がインターネットユーザーが多いのです。さらに、その成長率は凄い。
続いて、もうひとつポジティブなデータ。

以前このブログでも紹介したアフリカのFacebookユーザー数が7ヶ月ごとに2倍となっているというICTWorksの記事と、最近のFacebookユーザー数をInternetworldstats.comを拾ってみたものです。ここ1年くらいの伸び(27.4million(2011年5月)から43.4million(2012年6月))については、2倍とは言えないけれど、そでも世界でのユーザ伸び率(2011年7月(750million)から2012年1月(800million))より高いと言える。そして、Facebookのサイトによると、約半数のユーザーがPCではなく、携帯電話からFacebookを利用しているという。そこで、以下のデータを紹介。

GSMAによるアフリカの携帯電話普及率(2011年時点)と、その後の予想。これ見ると、とりあえず年30%の伸び率で成長していることがわかる。

最初のグラフを見ると、インターネットユーザー数やブロードバンド利用者数の少なさから、アフリカのICT分野は「まだまだ・・・」というネガティブな感想だが、インドとの比較〜携帯普及率の伸びまでを見てくると、結構ポジティブな感じがしてくる。「思ったより、ICTの可能性って高いんじゃない?!」といったところか。
そこで、最後にアフリカのバックボーンネットワークとなる海底ケーブル環境についてのデータをご紹介。

最初の2枚は2009年と2012年の海底ケーブルの図。線の太さがキャパシティを表しているので、かなり改善されたことがわかる。3枚目はあくまでも予想図であるけれど、2009年から2012年の成長を考慮すると、これからもバックボーンが改善されていく可能性はありそうだ。

と、ここまで色々と見てきましたが、結論として「アフリカのICT分野の可能性があるのか、まだまだなのか?」という問いに対して、「(アフリカ好きな自分としては)可能性大」と言いたい。最初のITUのデータのように、世界に比して、極めて少ないインターネットユーザー普及率&貧弱なブロードバンド普及率であるにも関わらず、インドより多いインターネットユーザー数、Facebookユーザの伸び、そして携帯電話の成長と、世界平均以上のICT分野の成長が見て取れる。今後、海底ケーブルの整備や各国内の通信網改善が勧めば、さらなる成長が見込まれるだろう。今は、ICTアウトソースがミャンマーブームですが、今からアフリカに目を向けておいても面白いんじゃないだろうか。

ICT×障害者支援に関するセミナー

 前回の投稿で紹介した「ICT×障害者支援」の公開勉強会@JICA(2月28日)に続いて、同じ分野でのカフェ・セミナーのご案内です公開勉強会の講師と同じ米国ミシガン大学のJoyojeet先生によるセミナーです。ご興味ある方は是非!(ちなみに、2月28日の更改勉強会もまだ申込み可能です)。

バリアフリー・カフェセミナーのご案内
日時: 2012年3月1日(木) 午後3時~4時半
場所: 東京大学駒場IIキャンパス 先端研14号館1階カフェ
講師: Joyojeet Pal博士(ミシガン大学講師)
題目: Technology in the Developing World
(途上国におけるテクノロジー)

要旨:
これまで技術製品は世界人口の10%程度を占める先進国にいる富裕層向けのものばかりであった。途上国を含め,残り90%の人々が構成する莫大な市場に向けた技術開発およびそれを実現するためのイノベーションが現在求められている。一方,携帯電話のようにすでに途上国の地方を含め世界中に浸透する技術がある。また,インドやベトナムのように情報技術を柱に研究開発の先頭に立とうとする新興国も登場してきた。本セミナーでは,先端の医療技術を極めて安価にかつ多数の人に提供することに成功したインドのAravind Eye Hospital等の例を交え,先端科学技術を途上国に広める上でカギとなる要素について,これまでの研究結果を交えて紹介する。

※ 参加申込みは不要です。当日どなたでもご自由にご参加ください。

講師略歴:
1996年 ムンバイ大学経済学部卒業
2002・2004年 カリフォルニア大学バークレー校大学院修士課程修了
Group in Asian Studies
School of Information Management and Systems
2008年 カリフォルニア大学バークレー校大学院博士課程修了
Department of City and Regional Planning
2008年 ワシントン大学Dept. of Computer Science and Engineering
Postdoctoral Research Associate
2009年 コロラド大学ボールダー校ATLAS Institute
Professional Research Associate
2010年 ニューヨーク工科大学Department of Technology Management
Visiting Assistant Professor
2011年 ミシガン大学アンアーバー校School of Information講師
この他,Sun Microsystems (2002),Microsoft (2003),Hewlett Packard (2004),Ricoh Innovations (2006),Global CSR Associates (2006, 2007)など,多数のグローバル企業との研究にコンサルタントとしてこれまで携わる。Microsoft社が「Mouse Mischief」の名称で製品化した研究開発では,その中心的役割を果たした。この技術により,PowerPoint教材を複数のマウスで生徒が共有してインタラクティブに学ぶことが可能となった。UNやUNESCOが主催した途上国向け技術に関する国際会議等にて多数の招待講演を行う。

Social Networking for Development

最近、ICT4Dの幅広い分野でも、特にソーシャル・ネットワーキングを活用した途上国支援に興味を感じる。

TwitterがKivaと連携して、Twitter上でもKivaに紹介されている途上国の企業家達に一口25ドルの融資が出来るようになった。Kiva上の途上国の企業家情報がTwitterにも掲載されて、そこで融資も出来る仕組み。ますます、Kivaを通じて普通の人々から途上国への融資が増えるだろう。こんなことが出来るようになるなんて、4、5年前には全然予想できなかったんじゃないかと思う。

また、こんなソーシャル・ネットワーキングもある。“Refugees United

greenz.jpにわかりやすい説明が載っていたので、以下引用させてもらう。

“「Refugees United」は、いわば難民のための「Facebook」。 誰でも無料でプロフィールを登録したり、登録されているデータの中から自分の「尋ね人」を検索することができ、ウェブサイト上で、メッセージをやり取りす ることができます。もちろん、実名を公表することに抵抗がある人はニックネームでの登録もOK。出生地や育った場所、家族構成・カラダの特徴など、家族や 親しい人しか知りえない情報を一緒に登録しておけば、これらを手がかりに、家族や友人に自分を見つけてもらいやすくなります。また、このソーシャルネット ワークサービスは19言語に対応。より多くの難民たちが、言語の障壁なく、スムーズにコミュニケーションできるようになっています。”

なるほど、確かにありそうでなかった仕組み。凄いなぁ。
ソーシャル・ネットワーキングってことでいうと、上記2例のようなWebサイトそのものでなくても、その繋がりによって発生するムーブメントも大きな途上国開発ドライバーだと思う。以前紹介したUshahidi構築のストーリーなどがその代表。ソーシャル・ネットワーキングを通じて、途上国の人達と先進国の(技術を持った)人達が繋がることで、そこから途上国の役に立つWebサイトなりアプリなりが生まれる。

Online AfricaというWebサイトに、「One year of following African ICT news」というタイトルでアフリカのICT関連ニュースの一年間の統計情報が掲載されていた。その調べによると、1年間で最も取り上げられたトピックは「Mobile」かと思いきや「Broadband」である(←1番多く付けられたタグが「Broadband」ということから、そのように考えた)。この辺りからも、インターネットへの期待感=繋がることへの期待感を感じる。近い将来、途上国開発や援助のメインアクターは、政府援助機関や国連だけでなく、普通の人々に移行していくのかも。是非、そうなって欲しいところである。

ITとI「C」T

一昔前に、IT革命という言葉が流行っていたが、最近では、ITという言葉よりも、ICTという言葉が使われるようになっている。例えば、このブログのタイトルもIT4Dではなくて、ICT4Dである。ITとICTの違いはCがあるかないか。つまり、Communicationが重要視されてきたことが、ICTという言葉が使われるようになった理由だとわかる。最近、このコミュニケーションの重要性を感じるプロジェクト・事例が目についたので、まとめてみる。

世界銀行が実施するコンテスト。世銀が無料で提供する様々なデータ(World Development Indicators, Africa Development Indicators, Global Finance Indicators, and Doing Business Indicators)を利用して、途上国開発に貢献するアプリケーションを作製するアイデアを募っている。携帯アプリ、SMS、普通のPCで動くソフトウェア、Webベースのソフト等、幅広い範囲で、ソフトウェア開発者やNGOなどの途上国開発の実務者などからのアイデアを募集するようだ。詳細はこの10月に正式発表予定。ちなみに同様の似たような試みとして、Apps for Healthy KidsApps for Democracyなんていうのもある。

ソニー、国際NGO「世界自然保護基金(WWF)」、デザイン・コンサル会社「IDEO」が協力して、ソニーの技術を地球環境保護に役立てるアイデアを募集している。現代ビジネスというサイトにわかりやすい説明が載っている。Webサイト上で、お題にあげられた課題について、誰でもが自由にアイデアを出したり、他人のアイデアを評価したり(“拍手”とか)しながら、最終的に一番良いアイデアをユーザー投票で決めるというもの。不特定多数のユーザーからのアイデアを、ユーザーが評価し、最終的にスポンサー(=お題となる課題を出した会社など)が気に入れば、そのアイデアが実際に製品やサービスになる。同様な試みとしては、「GE’s Ecomagination Challenge」というのがあり、GEがスマート・グリット・テクノローの活用アイデアを募集するサイトで、こちらもユーザが応募者のアイデアを評価する仕組みがある。

このブログでも一度紹介したことがある危機管理Webサイト。ケニアの選挙に絡んだ暴動が起きたときに、どこの地区で暴動や事件等が起きているかを共有するために作られたWebサイト。ユーザーが携帯で「エリアAで暴動あり」とか、「エリアBで警官による暴力事件あり」みたいな情報をアップデートし、その情報がGoogle Maps上に反映されるというもの。オープンソース・ソフトウェアとしてアップロードされたところ、インドやメキシコでの選挙監視や中東ガザ地区の武力行為の状況把握、ハイチでの地震災害時の状況把握などにも利用された。(こちらも詳しい内容は現代ビジネスに記載されています)

以上を見てみると、コミュニケーションがキーになっていることがわかる。「情報ソースは提供するから情報の使い方のアイデアを出してね」といったApps for Development。ユーザからのアイデアのみならず、評価もユーザーに委ねるオープン・プラネット・アイデアズ。掲載するコンテンツの提供元がユーザ自信であるUshahidi。どれも、単なる情報提供ではなく、コミュニケーションである。

さらに、Ushahidiが誕生したきっかけは、まさにICTによるコミュニケーションによるものである(以下、現代ビジネスから引用)。

(ここから)・・・・・・ウシャヒディは2008年の初め、当時31歳の女性弁護士、ブロガー、活動家であるオリ・オコーラ氏のひとつの小さな行為から生まれました。前年末にケニアで実施された大統領選挙での不正疑惑に対し、国内各地で暴動が勃発、報道規制が敷かれる中、オコーラ氏は現地での状況を絶え間なくブログに掲載していたのです。どの地域でどのような暴力事件が起きたか、被害状況等に関し、更新を続けていたのです。
すぐに一人で情報更新することが追いつかなくなり、ブログに助けを求めました。
「誰かエンジニアの人で、グーグル・マップス(無料地図情報サービス)を使って暴動発生箇所と破壊状況のマッシュアップ(融合)サイト作ってくれない?」
すぐに二人のエンジニアが手を上げ、約3日間の週末作業で作られたソフトウェアが、危機災害時の情報集約ビジュアルサイト、ウシャヒディの始まりでした・・・・・・(ここまで)

ブログという情報発信ツールにより、技術を持った善意の第三者と繋がった点、また、Ushahidiがその後オープンソース・ソフトウェアとして様々な用途に様々な人達によりカスタマイズされていっている点などもICTの持つコミュニケーション機能がなくてはありえない事象である。

最近読んだ本「大人のための勉強方」(和田秀樹著)という本に、以下のようなことが書いてあった。
「情報とは知識化されていないときわめて使いづらいし、自分の知識にもなりにくい。そして、知識化された情報に出会うためには、他人のお世話になるのがいちばん。情報に出会うことは独学でも容易だが、知識に出会うには人を介するのがいちばん有効
インターネットや携帯電話といったICTがもたらしたメリットは、「情報」ではなく、知識を持った「人」と繋がることなのだと改めて感じる。つまり、コミュニケーション。これが重要だからこそ、「IT」じゃなくて「ICT」って言葉が使われるようになったのだと、いまさらながらに納得しました。

ケニアのローカルコンテンツ促進政策

以前、このブログでも紹介したが、ケニアではローカルWebコンテンツの充実を図るために、ローカルコンテンツを作製する企業や個人に合計4,000,000USDの資金支援を行っている。資金供与先は公募で行われており、以下の4つのカテゴリがある。

  • ガバメントサービス系Webサイト部門(企業)
  • ガバメントサービス系Webサイト部門(個人)
  • プライベートサービス系Webサイト部門(企業)
  • プライベートサービス系Webサイト部門(個人)

先日、ガバメントサービス系Webサイト部門(企業)について、このカテゴリに応募された166のプロポーサルから資金供与先(7つ)が決定したとのアナウンスがあった。その7つのローカルコンテンツの内容が、gmeltdownというWebサイトで簡単に紹介されていたので、以下抜粋(もっと詳しい内容は、Kenya ICT BoardのWebサイトへ)。

  1. Octopus Solutions Limited – HIV and AIDS in the workplace e-Learing Course – To assist implementation of the HIV and AIDS work place policy among civil servants
  2. Infotrack Strategic Solutions Ltd – Teacher’s Portal – Linking Kenyan teachers with their employer (The Teachers Service Commission)
  3. iBid Labs – Kenya Online Museum – Multimedia documentation of Kenya’s rich history
  4. Foundation Support Services (FSS) Ltd – IVR Tax Filing Solution – A multilingual platform for Kenyans to file tax returns based on Interactive Voice Response (IVR) technology
  5. BTI Millman Company Ltd – eMazingira Software Application – Crowd sourcing application for documenting and collecting information on environmental degradation and abuse using the Ushahidi platform
  6. RiverCross Technologies Ltd – EDUWEB– To create a comprehensive list and interactive map of all education institutions in Kenya
  7. JBA Advertising Co Ltd  – Lost and Found Project To assist Kenyans to find their lost official documents such as national ID cards

これだけのアイデアがケニア国内から出てくるということにまず驚いた。ケニアのことはあまり知らないけれど、M-PESAやM-Keshoといったモバイルバンキングサービスが普及していることなどからケニアのICT普及具合は他のアフリカ諸国よりも抜きん出ているのだろう。実際、ICT Workというサイトでも、アフリカではケニアが最もICT政策に力を入れている国として挙げられていた。

ケニアのローカルコンテンツ拡大・活性化が図られていくことが期待できる一方で、本当に期待通りの成果が見られるのかという点に興味が沸く。というのも、「人々情報が提供されること=情報により裨益すること」ではないからだ。情報の価値を測る指標として“CARTA”というチェックリストがある(Heeks, 2006)。

  • How Complete:どれくらい情報が完全なものか
  • How Accurate:どれくい情報が正確
  • How Relevant:どれくらい関連性があるか
  • How Timely:どれくらいタイムリーか
  • How Appropriately presented:どれくらい適切に示されているか

例えば、地図上に全教育機関をマッピングするという「EDUWEB」。途上国では正確な地図がないケースがあるが、ケニアはどうなのだろうか?また、正確な地図があるとしても、その地図を普通の人々が読めるのか?(→読めるような示し方が出来るのか)といった懸念がある。また、HIVについてのeLearningサイトにしても、そもそもケニアで必要とされているHIVについて学ぶべき内容というのが確立されているのか?(←途上国の教育機関では実務と関連性が薄い理論重視の教育をしている傾向があるが、どうなのか?)という疑問やeLearningの対象者のITスキルに問題がないのかや、そもそもこの目的を果たすのに、本当にeLearningがベストな方法なのか?(→Webサイトは出来たが誰も利用しないといった失敗可能性)という心配もある。

批判的な見方をすると色々と上記のような懸念点があるけれど、それでも、このケニアの試みは凄いと思う。これがどれくらいの成果を挙げるのか非常に楽しみである。

(Reference)
Heeks, R.B. (2006) Implementing and Managing eGovernment: An International Text, Sage Publications, London