タグ別アーカイブ: Nollywood

Work with People, not for People

 

cof

どうでもいいですが、左手は自分の手です(笑)

もう1年以上前ですが、「消費者からプロデューサーになる道とは?」というタイトルで投稿したように、”Handbook on ICT Policy for developing countries“という本(コペンハーゲンのAalborg UniversityのProf Knud Erik Skoubyなどが編者)のchapter募集に応募したら、選考にとおりまして、やっとこさ5月末にその本が出版されました。そしてその第9章に自分の論文が載っています(初期段階から相談にのってくれたこのブログの共同運営者のKanotとMaki、サンキューです〜)。

cof

内容は、IoT、AI、ビッグデータ、3Dプリンタなどの新しいテクノロジーがアフリカの発展に及ぼす負の影響にフォーカスしたものです。便利にはなっても、最終的に一番の利益を得るのは先進国の企業であり、途上国はお金を払うお客さん&お金になるデータを提供するユーザー、という立場にしかなれない可能性が高いという点や、先進国のメーカーの工場を誘致しても、工場そのものの遠隔操作やロボット活用によって、そこからの技術移転が望めない(=中国や東南アジア諸国のような製造業の発展モデルは成り立たない)という点などのリスクに言及してます。「じゃ、どうすれば良いの?」って点については、インターネットの世界やアプリ経済においてアフリカ独自のマーケットを確立すべく自国の起業家育成(←ルワンダみたいな)や、隣国との(一国ではパイが小さすぎる国が多いので)地域経済共同体としての独自マーケット確立に注力することが重要だろうといういう意見を、インドや中南米諸国のビジネス・インキュベーション政策やイノベーション促進支援政策を引き合いにしつつ書いてます。

例えば、Nollywoodと称されるナイジェリア映画を見るためのAfrinollyというアプリがあります。Youtube等でHollywood映画が無料で見れる時代でも、やっぱりナイジェリア人はNollywood映画も見たいってこと。こんな風に新しいテクノロジーについても、独自のマーケットへのユニークなサービス展開を促進する政策あれば、負の影響ばかりではなくなるだろうという意見です。

そう言えばつい最近、(信憑性はさておき)ガーナ大学の学生がYouTubeに競合する可能性のあるサーチエンジンを開発したというニュースがガーナの新聞(「19-year-old Ghanaian student builds search engine to rival Google」)に載りました。アフリカ諸国が先進国企業へお金を払うお客さん&お金になるデータを提供するユーザーという立場ではない、別の未来を期待したいです。

また、もう一年前に書いた内容なので、今となっては例示で使った事例等にちょと古い情報が多いなと思ったりしています。そして、今から付け加えられるなら、日本のODAでも「新しいテクノロジーをどう活かすか?」について途上国支援をするべきという論点を加えたいなぁ、と思ったりしています。

日本のODAの一つの主流として「日本の経験や得意分野の技術を途上国へ!」という方向性があると思います。「質の高いインフラ輸出」はその代表。それはそれで否定はしないですが、そろそろ「日本の経験」とか「日本の技術」が活かせない課題が増えて来る気がしています。そもそもOne fits all的なソリューションが上手くハマる課題はないし、誰も経験したことのない課題に直面している(これからする)のが途上国なんだと思います。なので、必要とされているのは誰かのお古じゃなくて、自分達に合ったソリューションを一緒に考えてくれるパートナーなんだと。そして、自国の経験や技術を他国に当てはめるのではなく、ゼロから一緒に考えることの方が、面白いんじゃないかと思います。まだインフラ分野でなら「日本の経験」が必要とされる国があるけれど、将来的には状況が変わるだろうと考えると、ICT分野で誰も経験したことのない課題について一緒にソリューションを考えるというスタイルの援助をやっていくことは、援助スタイルのオプションを増やす意味でも重要かと思ったりしています。

10年以上前、青年海外協力隊の訓練所で、「Work for PeopleじゃなくWork with Peopleが大切」という話を誰かから聞いたのですが、特にICT分野ではそいうスタイルの援助に途上国のニーズがあると感じています。